美容鍼灸のメカニズムには、主に次の3つがあります。
人の体には「経穴」(けいけつ)と呼ばれる特別なポイント(一般的にツボといわれているポイントです)があり、これらは体内のエネルギー(気)や血液や栄養(血)の流れと密接に関わっています。
体のエネルギーや栄養のバランスが崩れると、それが肌や健康の不調として表れることがあります。
美容鍼灸で経穴を刺激することにより、エネルギーや栄養の流れが正常化し、お肌や体の健康を向上させる効果が期待できます。
また、お顔にも経穴があり、これが体の他の部分と深く関連していることが中国最古の医学書
「黄帝内経」に記されています。
【参考】
・王財源『美容と東洋医学 人間美と健康美の原点』(静風社、2017年)
美容鍼灸では、細い鍼を使用してお顔の筋肉に刺激を与えます。
顔の筋肉が長時間緊張していると、それがしわやたるみとして現れることがあります。鍼で筋肉に刺激を与えることで、筋肉の緊張が和らぎ、リラックスした状態になります。
さらに、鍼の刺激によって筋肉内の血流が改善され、新鮮な血液が筋肉に供給されることで、凝りの緩和やむくみの解消につながることが期待できます。
【参考】
・木下晴都「局所疼痛に対する針作用の実験的研究 II: 強縮後の短縮高回復過程に及ぼす置針の作用」(『昭和医学会雑誌』41巻4号、303-403、1981年)
・Shinbara H1, Okubo M, Sumiya E, Fukuda F, Yano T, Kitade T.『Effects of manual acupuncture with sparrow pecking on muscle blood flow of normal and denervated hindlimb in rats.』(Acupunct Med.149-159、 2008)
・Sandberg M1, Lundeberg T, Lindberg LG, Gerdle B.『Effects of acupuncture on skin and muscle blood flow in healthy subjects.』(Eur J Appl Physiol. 114-119、2003)
鍼をお肌に刺すことで、お肌の中に微小な傷が生じます。 この微小な傷に反応して、肌は自分を修復しようと動き出します。このプロセスを「創傷治癒」(そうしょうちゆ)といいます。
傷を治そうとする肌の反応により、コラーゲンやエラスチンという肌の弾力やハリのもととなる成分が生産されます。
結果として、肌の再生が促進され、ハリや弾力を取り戻したより若々しい肌へと変わっていきます。まとめますと、美容鍼灸は体のバランスを整え、顔の筋肉や肌に直接的な刺激を与えることで、健康的で若々しい美しさを引き出す方法です。
【参考】
・小川和宏『PDGFとEGFとによる創部瘢痕形成減少の検討』(『岐阜歯科学会雑誌』33巻1号、1-9、2006年)
・山本丈至『創傷治癒のメカニズムとケガの功名 : 生命の神秘と科学の醍醐味』(『Biophilia』Vol.7 No.4、44-47、2011年)