そのお尻の痛み、放置して大丈夫?
- 2025年03月21日
- 腰痛

座っているとお尻が痛い、長時間のデスクワークがつらい、運動後に違和感を感じる……
こうした「お尻の痛み」に悩んでいる人は意外と多いものです。
お尻の痛みにはさまざまな原因があり、放置すると悪化して日常生活に支障をきたすこともあります。
お尻の痛みの主な原因
-
坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
症状:
・お尻から太もも、ふくらはぎにかけての痛みやしびれ
・長時間座っていると悪化する
・立ち上がるときに痛みを感じる
原因:
坐骨神経は、腰から足にかけて走る神経の中で最も太く長い神経です。
この神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすると、痛みやしびれが発生します。
椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)などが主な原因です。
対処法:
・姿勢を改善する:背筋を伸ばし、骨盤を立てるように意識しましょう。
・ストレッチ:お尻や腰をほぐすストレッチを日常に取り入れましょう。
・温める:血流を改善するために、カイロや湯たんぽでお尻を温めるのも効果的です。
-
坐骨(ざこつ)の圧迫による痛み
症状:
・長時間座っているとお尻の一部が痛くなる
・椅子から立ち上がると痛みが和らぐ
・体重がかかる部分(坐骨)が特に痛む
原因:
硬い椅子や長時間の座り姿勢が原因で、坐骨部分の筋肉や皮膚が圧迫され、血行不良を起こして痛みが発生します。
対処法:
・クッションを使用する:ドーナツ型やジェルクッションを使うと、坐骨の負担が軽減されます。
・座る姿勢を意識する:背筋を伸ばし、お尻全体で座るようにしましょう。
・定期的に立ち上がる:1時間に1回は立ち上がって体を動かしましょう。
-
筋肉のこりや炎症(梨状筋症候群など)
症状:
・お尻の奥に鈍い痛みを感じる
・太ももの後ろにかけて違和感がある
・片側のお尻だけが痛くなることが多い
原因:
お尻の深部にある「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉が硬くなることで、坐骨神経を圧迫し痛みを引き起こします。
デスクワークや運動不足が原因になることが多く、スポーツをしている人では筋肉疲労やオーバーワークが関係することもあります。
対処法:
・ストレッチやマッサージをする:お尻の筋肉をほぐすストレッチを行いましょう。
・適度な運動を取り入れる:ウォーキングや軽いジョギングなどで血行を改善しましょう。
・セルフマッサージ:テニスボールを使ってお尻の筋肉をほぐす方法も効果的です。
お尻の痛みを予防する方法
-
正しい座り方を意識する
・背筋を伸ばし、深く腰掛ける
・足を組まずに両足を床につける
・できれば「座りっぱなし」を避ける
-
定期的にストレッチや運動をする
デスクワークが多い方は、1時間ごとに軽く立ち上がったり、ストレッチをしたりする習慣をつけるとよいでしょう。
-
体を温める
冷えは血流を悪くし、筋肉のこりや痛みを引き起こします。
湯船に浸かる習慣をつけると、お尻の痛み予防に役立ちます。
鍼灸でお尻の痛みを和らげるメカニズム
血流の改善による筋肉の緩和
鍼を刺すことで筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。
血流が良くなると、酸素や栄養が行き渡り、炎症や痛みが軽減されます。
神経の過敏状態を正常化
鍼が神経系に働きかけることで、痛みの信号を脳に伝える経路を調整し、痛みの感じ方を和らげます。特に坐骨神経痛には有効です。
ツボ(経穴)への刺激による自己治癒力の向上
東洋医学では、体には「気(き)」と「血(けつ)」の流れがあり、それが滞ると痛みが生じると考えられています。
適切なツボを刺激し、気血の流れを整えることで、痛みを根本から改善します。
お尻の痛みに効果的なツボ
- 委中(いちゅう)
場所: 膝裏の中央部分
効果: 坐骨神経痛や腰痛に効果的。足の血流も改善する。
- 承扶(しょうふ)
場所: お尻の真ん中、太ももの付け根部分
効果: お尻の筋肉の緊張をほぐし、坐骨神経痛を和らげる。
- 環跳(かんちょう)
場所: お尻の外側、股関節のくぼみ部分
効果: 梨状筋の緊張を和らげ、神経の圧迫を解消する。
- 大腸兪(だいちょうゆ)
場所: 腰の下部、背骨の両脇
効果: 便秘や痔の改善にも有効。
鍼灸治療は、血流改善・神経の調整・ツボ刺激によって、お尻の痛みを根本から和らげる効果があります。
自宅でできるセルフケアと組み合わせながら、快適な日常を取り戻しましょう。
グラン治療院ブエノスカリン院(馬車道)のご予約はこちらから
-
-
私が書きました!
彦山 大樹DAIKI HIKOYAMA
鍼灸師
所属:グラン治療院ブエノスカリン院
プロフィールはこちら