鍼灸師直伝・快眠法!健康の秘訣は質の良い睡眠にあり
- 2019年06月12日
- 睡眠
寝つきが悪い・夜中に何度も目が覚めてしまう・睡眠時間が短く寝る時間が取れない・・・
現在の日本では、5人に1人が睡眠に関わる悩みを抱えていると言われています。
また世界の国々と比べても日本人の睡眠時間は短く、食事や運動などに比べて睡眠に対しての健康意識が低いことが窺い知れます。(参考資料1)
厚生労働省の平成27年「国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間は、男女とも「6時間以上7時間未満」と回答した者の割合が最も高く、男性33.9%、女性34.2%。睡眠の質に関する項目については、1日の平均睡眠時間別にみると、6時間未満の者が、男女とも全ての項目において有意に高い。6時間未満の者では、男女とも「日中、眠気を感じた」が最も高く、それぞれ 44.5%、48.7%。
●情報ソース:平成27年「国民健康・栄養調査」の結果
人生の3分の1を占めている睡眠
睡眠の主な役割は、脳を休め、細胞を修復し記憶情報を整理します。また、新しい血液が作られるのも睡眠中です。
睡眠は人生の土台であり、睡眠を正しくコントロールできれば身体が健康な状態で維持できるだけではなく、感情も前向きとなり、効率的に仕事も出来るようになります。また、艶やかな髪、目の輝き、綺麗な肌、集中力、記憶力、判断力、自信、ひらめき、好奇心、そして優しさまでも、これらは上質な睡眠によってもたらされます。
そもそも睡眠がどんなものなのかをることで改善ポイントを見つけていきましょう。
睡眠と成長ホルモン
人は長期間にわたる成長ホルモンの分泌と共に成長が促されます。正式名称を「ヒト成長ホルモン(hGH)」といい、骨や筋肉を丈夫にし、代謝を活発にさせ、臓器を修復・再生する働きがあり、若さや健康を保つために非常に重要な役割を果たしています。その為、成長ホルモンは、「若返りホルモン」とも言われています。成長ホルモンは、20歳でピークを迎えたあと、10年ごとに14%ずつ減少します。60歳で分泌量が半減し、80歳ではわずか5%ほどになります。そして、この変化に伴い様々な「年齢による衰え」が現れます。年齢と共に減少していく成長ホルモンの分泌を上質な睡眠できちんと確保する事で健康的で若々しい状態を保ちやすくなります。
睡眠には2種類ある 睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分けられます。 レム睡眠 レム睡眠とは、脳が起きて身体が眠っている状態です。夢を見るのはこのレム睡眠の時です。よく金縛りの時に意識があるのに身体が動かせないといいますが、このレム睡眠の時におきているものと考えられています。 ノンレム睡眠 ノンレム睡眠は身体が起きているが脳が眠っている状態です。ノンレム睡眠は4段階あって、少しずつ眠りが深くなると言われています。 <ノンレム睡眠1~4段階> ・第1段階 うとうとした状態 ・第2段階 すやすや眠っている状態。浅いものの真の睡眠状態 ・第3、第4段階 簡単には起きない深い眠り(1日に必要なGHが分泌) 睡眠サイクル 入眠後約20分で最初の深い眠りの第3段階に到達、入眠後約1時間で第4段階に突入します。その後、徐々にステージが4→3→2となっていき、入眠後約90分後に最初のレム睡眠が現れます。レム睡眠は夢を見ている状態で、脳が活発に働くだけでなく血圧・心拍・発汗の上昇が見られます。ノンレム睡眠の第1段階からレム睡眠が始まるまでを「睡眠サイクル」と呼ばれ、1サイクル約90分で通常一晩に4~5回の睡眠サイクルがあります。しかし、高齢になるにつれて浅くなり、2から3段階くらいで止まってしまいます。このため、高齢になると急激に不眠が増えてきます。また他にもストレスや心配事による不眠が現れる人も多くいます。
日本人の5人に1人は悩んでいると言われる不眠症
不眠と言っても人によってさまざまで過眠症や睡眠呼吸障害(代表的な疾患は睡眠時無呼吸症候群)など様々なタイプがあります。
不眠症の4つのタイプ
・入眠困難
布団に入ってもなかなか(30分~1時間以上)寝付けない
ストレスで眠れない人が多いのはこのタイプが多い
・中途覚醒
いったん眠りについても夜中に何度も目が覚める
・早朝覚醒
明け方に目覚めてその後眠れない
・熟眠障害
眠りが浅く睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない
不眠が起きる主な原因
・環境的要因
明るさ・騒音・温度・枕など
・身体的要因
痛みやかゆさ、頻尿など
・生活習慣的要因
アルコール・ニコチン・カフェインの摂取、運動不足など
・心の要因
悩みやイライラ、極度の緊張、ストレス、睡眠に対するこだわりなど
不眠改善方法
朝日を浴びて体内時計(サーカディアンリズム)をリセット
体内時計とは、自律神経の調整やホルモンの分泌、臓器の動きなど、生命と健康の維持にかかわる活動の1日周期のリズムをつくり出すシステムです。(朝に目が覚めて夜に眠たくなるのは体内時計がサイクルをコントロールしている為)体内時計は1日よりも少し長い24.2時間程度であり、体内時計の周期は人によって多少異なります。
体内時計は、全身にあるすべての細胞が持っているものだといわれていますが、個々の細胞のリズムを同期させ維持する「マスタークロック」と呼ばれる親時計が存在します。マスタークロックは、脳の視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる所にあり、すべての体内時計を調整していると言われています。
このマスタークロックをリセットする役割を担っているのが「光」です。2,500ルクス※以上の光(太陽光に匹敵する強さ)を浴びることでその情報は体内時計に伝わり、光を浴びた時刻により体内時計のリズムが変化していきます。朝早い時間に強い光を浴びると夜眠くなるのが早まり、逆に夜に強い光を浴びると、体内時計が日中と誤解して針を昼間に戻し、眠くなるのも遅くなります。
その為、日々同じ時間に朝日を浴びて体内時計をリセットさせることが大切です。
※物や壁、床など照らされている箇所の明るさが照度(単位:ルクス)
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私が書きました!
川﨑 真澄MASUMI KAWASAKI
鍼灸師
所属:グラン治療院横浜スパイアス院
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