近年、“血管の若返り物質”として注目を浴びているのが 一酸化窒素(NO:Nitric Oxide) です。
1998年にはNOの働きがノーベル賞の対象となり、医学の世界でも「健康寿命をのばす鍵」として大変重要視されています。
では、一酸化窒素とはどのような物質で、どうすれば増やすことができるのか解説していきます。
一酸化窒素(NO)は血管のアンチエイジング物質
私たちの血管の内側には「血管内皮細胞」という薄い膜があります。この内皮が元気に働くかどうかが、血管の若さを大きく左右します。
そして、この血管内皮が健康に働くために欠かせないのが 一酸化窒素(NO) です。
✔ NOが血管にもたらす3つの恩恵
① 血管をしなやかに保つ
NOは血管の平滑筋をゆるめて、血管をスムーズに広げてくれます。
これによって血流が改善し、
・冷え
・肩こり
・しびれ
・むくみ
などの症状の改善が期待できます。
② 血圧を安定させる
血管が適度に開くため、自然な血圧コントロールを助けてくれます。また、高血圧の予防にもつながるという研究も多く報告されています。
③ 血液をサラサラにする
NOには血小板が固まるのを抑える作用もあります。
そのため、
・動脈硬化
・狭心症・心筋梗塞
・脳梗塞
といった血管トラブルのリスク低減に役立つ、“血管の守り神”のような存在です。
一酸化窒素は年齢とともに減ってしまう
残念ながら、NOをつくる力は 40代を境に低下 すると言われています。これが「年齢とともに血管が硬くなる」原因のひとつです。
だからこそ、日常生活の中で NOを意識して増やす習慣 が大切です。
どうすればNOは増えるのか?
一酸化窒素は特別なサプリがなくても、生活習慣や食事で自然に増やすことができます。
① 野菜に含まれる“硝酸塩”から増やす
野菜に含まれる 硝酸塩 → 亜硝酸塩 → NO へと体内で変換されます。
特にオススメの“NOブースト食材”
・ほうれん草
・ビーツ
・ルッコラ
・セロリ
・レタス
・大根・かぶ
さらに、ビタミンCやポリフェノール(緑茶・カカオなど)がNO生成を助けます。
✦ 野菜をしっかり食べることは 科学的に最もエビデンスの強いNO増加方法 です。
② 軽い運動(ウォーキング)
有酸素運動は血管内皮に刺激を与え、NOの産生を高めます。「1日20〜30分の歩行」は血管を若く保つシンプルで有効な方法。
③ 鼻呼吸を意識する
鼻腔では自然とNOが作られています。吸う時に鼻を使うことで、NOが肺に届けられ、血流改善に役立ちます。
④ 近赤外線(NIR:Near InfraRed)でもNOが放出される
660〜900nmの近赤外線(LEDや一部の治療器に含まれる波長)は、皮膚や血管内皮からNOが放出されることが研究で報告されています。
特に、
・冷え
・こり
・慢性痛
などのケアで「血流改善を補助する手段」として注目されています。
NOと鍼灸の関係
鍼灸刺激は、皮膚や筋膜・血管内皮に作用し、一酸化窒素(NO)の局所放出を促すことが報告されています。NOは血管をやわらかく拡張させ、筋や組織の“めぐり”を整える重要な役割を果たします。
また、近赤外線は、ミトコンドリア内の酵素(シトクロムcオキシダーゼ:CCO)に光が吸収されることで
・ATP(細胞エネルギー)産生の促進
・ミトコンドリアに結合しているNOの“光解離”で血流促進
・血管拡張・血流改善作用のブースト
・細胞の修復力・組織再生能力の活性化(線維芽細胞・コラーゲン産生の増加)
などの作用が起こり、鍼灸によるNO誘導と非常に相性の良い反応をもたらします。
このため、
・局所の血流改善
・慢性痛の緩和
・冷えやむくみのケア
・自律神経の調整
・損傷した細胞の修復や組織再生のサポート
など、NOの働きと重なる生理学的メリットがさらに引き出されます。
鍼灸と近赤外線は、互いの作用を高め合う“相乗ケア”として大変理にかなった組み合わせです。
当院ではこれらの理論を活かした鍼灸 × 近赤外線(NIR)を融合したメニュー
「光バイオ美鍼 90分 24,500円」をご用意しています。


その他にも下記のコースもご用意しております。
近赤外線 30分5,500円
鍼灸治療へのOP 近赤外線 15分2,000円
まとめ:NOは“血管を若く保つ”自然な力
一酸化窒素(NO)は、
・血管をしなやかに
・血圧を自然に調整し
・血液をサラサラに保つ
といった“血管の若返り”に欠かせない物質です。
そして NO は、
・野菜を食べる
・鼻で深く呼吸する
・軽く身体を動かす
・近赤外線を活用する
といった身近な習慣で自然に増やすことができます。
難しいことは必要ありません。日々の小さな積み重ねで、血管はしっかり若返っていきます。
是非、日々の健康にお役立てくださいませ。

