梅雨シーズンの不調と寒暖差対策 〜心と身体をいたわる季節の過ごし方〜
- 2025年06月07日
- お家ケア

梅雨に現れやすい体調不良とは?
梅雨は「湿気」が多くなる時期。日本では6月頃から始まるこの季節は、空気中の水分が増え、体にも「湿(しつ)」の影響が及びます。
東洋医学では、湿邪(しつじゃ)は「気(エネルギー)」や「血(けつ)」の流れを阻害しやすく、次のような不調を引き起こしやすいとされています。
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身体がだるい・重い
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関節の痛み・こわばり
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胃腸の不調(食欲不振、下痢、むくみ)
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頭重感やめまい
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気分の落ち込みや不安定
さらに、梅雨時期は一日の寒暖差も大きく、自律神経の乱れや冷えの影響も加わり、体調管理が難しくなります。
東洋医学からみた「湿邪」と「寒暖差」の対策
1. 湿を追い出す食材をとりましょう
薬膳では「利湿(りしつ)」作用のある食材が梅雨におすすめです。以下のような食材を積極的に取り入れてみましょう。
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はと麦:余分な水分を排出し、むくみを軽減
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小豆:利尿作用があり、胃腸を助ける
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生姜・紫蘇:身体を温め、湿を散らす
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トウモロコシ・冬瓜:利尿と清熱作用
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緑豆:湿熱による吹き出物やほてりに◎
冷たいもの・甘いものは湿を体にため込みやすくするので控えめに。
2. 自律神経を整える生活習慣を
寒暖差に負けない体をつくるには、生活リズムを安定させることが鍵です。
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決まった時間に起き、食事・入浴・就寝のタイミングを整える
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朝起きたらカーテンを開けて日光を浴び、体内時計をリセット
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湯船に浸かる習慣で、体の芯から温める
*入浴剤を利用するのもGOOD。おすすめの入浴剤はこちら
適度な運動やストレッチも、気血の巡りを助けてくれます。
3.湿を取り除く漢方薬:五苓散(ごれいさん)
五苓散は、体内に停滞した余分な水分(湿)を排出する代表的な漢方薬です。気象の変化や水分代謝の乱れによって起こる以下のような症状に用いられます。
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むくみ、頭重感
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めまい、吐き気
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下痢や軟便
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二日酔い、夏バテ、水太り
特に梅雨時期の「水滞(すいたい)」体質には相性が良く、体を中からドライに整えてくれる処方です。
市販薬もありますが、体質や症状によっては別の漢方が適する場合もあるため、必要に応じて漢方薬局や専門家にご相談ください。
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4. ツボ押しやお灸でセルフケア
湿や寒さによる不調には、以下のようなツボがおススメです。
① 足三里(あしさんり)
📍場所:膝のお皿の外側下にあるくぼみから、指4本分下のスネの骨のすぐ外側
👉押し方:親指で垂直にじんわり3〜5秒押し、ゆっくり離す(左右両方)
✨効果:胃腸を整え、免疫力アップ・疲労回復に◎
② 陰陵泉(いんりょうせん)
📍場所:膝の内側の下、すねの骨の内側をさすり上げていき、止まるくぼみのあたり
👉押し方:骨の内側に沿って親指で軽く押し込むように刺激(少し痛気持ちいいくらい)
✨効果:むくみ、湿気によるだるさ・胃腸の不調に◎
③ 三陰交(さんいんこう)
📍場所:内くるぶしの一番高いところから、指4本分上、すねの骨の内側
👉押し方:骨に沿って垂直に押す。冷えやすい方はお灸もおすすめ
✨効果:冷え・むくみ・生理不順・ホルモンバランス調整に◎
④ 合谷(ごうこく)
📍場所:手の甲側。親指と人差し指の骨が交わる部分のくぼみ(やや人差し指寄り)
👉押し方:反対の親指で少し強めに5秒押して離すを数回繰り返す
✨効果:頭痛、肩こり、自律神経の乱れ、ストレスケアに◎
⑤ 陽池(ようち)
📍場所:手首の甲側、手を反らしたときにできるシワの中央(腱と腱の間のくぼみ)
👉押し方:やさしく円を描くように指でマッサージ。深呼吸と合わせるのがおすすめ
✨効果:自律神経・ホルモンの調整、だるさ・気分の浮き沈みに◎
お灸が可能な方は、週に数回のセルフお灸で、じんわりと深部から整えるのもおすすめです。
おわりに
梅雨は心身ともにバランスを崩しやすい時期ですが、ちょっとした工夫と心がけで快適に過ごすことができます。
自分の体の声に耳を傾けながら、湿と寒暖差に負けない養生を取り入れていきましょう。
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私が書きました!
川﨑 真澄MASUMI KAWASAKI
鍼灸師
所属:グラン治療院東京
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