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冬の“冷え”に負けない体づくり ― 東洋医学で整える冬の養生 ―

12月は気温が急激に下がり、年末の忙しさも重なることで、体が最も冷えやすい季節です。
肩こり・腰痛・むくみ・疲労感・睡眠の質低下など、冷えによって起きる不調は多岐にわたります。

東洋医学では古くから 「冷えは万病のもと」 と言われ、冬の養生が一年の体調を左右すると考えます。
ここでは、“冬の冷えケア”を東洋医学の視点でまとめました。


■ 1. なぜ12月は冷えが強まるのか?

冬は気温が下がるだけでなく、次のような要因が重なるため、冷えが一段と強くなります。

・日照時間が短くなり、自律神経が乱れやすい

・末梢血管が収縮し、血流が低下しやすい

・運動量が減り、代謝が落ちる

・室内外の温度差で体がストレスを感じる

・長時間のデスクワークで筋肉が固まりやすい

体が冷えると、内臓や筋肉の働きが弱り、肩こり・腰痛・疲労感・むくみ・肌荒れなどにつながります。


■ 2. 東洋医学でいう「冷え」とは?

東洋医学では、“冷え=体温が低い”だけではなく、
体を温める力(陽気)が不足し、気血の巡りが滞っている状態 を指します。

ここで最も重要なのが 「腎(じん)」 という臓の働きです。


■ 2-1. 冬に弱りやすい「腎」とは?

東洋医学における腎は、西洋医学の腎臓の働きだけではなく、
生命力・成長・回復力・ホルモンバランス・体温維持 に関わる“体のエネルギーの源”とされます。

腎は特に冬に弱りやすく、腎が消耗すると次のような症状が現れます。

・手足や下半身の冷え

・むくみ

・慢性的な疲れ

・朝起きられない

・夜間頻尿

・生理痛・生理不順

・髪のパサつき・抜け毛

・気力低下

「冬になると体がしんどい」「冷えが年々強くなる」という方は、腎のエネルギーが弱っている可能性があります。


■ 2-2. 腎が担う3つの大切な働き

① 体を温める“陽気”を生み出す

腎は体の「芯」を温める力の源。
弱ると深部の冷え、特に 腰・お腹・足の冷え につながります。

② 水分代謝を調整する

腎は水の巡りとも深く関係。
弱るとむくみ・冷え・トイレが近いなどの症状が出やすくなります。

③ 成長・生殖・ホルモンバランスを支える

腎は女性の体調に特に影響し、生理痛、更年期、髪の状態にも関連します。

冬は特に腎が弱りやすい季節のため、「腎を守る=冬を健やかに過ごす」 ことにつながります。


■ 3. 冷え改善におすすめのツボ

● 三陰交(さんいんこう)

内くるぶしから指4本上。
冷え・むくみ・生理痛に。

● 湧泉(ゆうせん)

足裏の土踏まずやや上。
腎を補い、足の冷えに最適。

● 太渓(たいけい)

内くるぶしの後ろのくぼみ。
腎の働きを整える代表ツボ。

● 関元(かんげん)

へそ下の丹田。
お腹の冷え・疲労を改善。

温める・お灸をする・お風呂で指圧するだけでも効果があります。


■ 4. 冬に嬉しい“温める食”と“巡らせる食”

◆ 温める食材

しょうが、ねぎ、にんにく、味噌、鍋料理、シナモン

◆ 腎を補う黒い食材

黒豆、黒ごま、きくらげ、昆布、ひじき

◆ 気血を巡らせる食材

青魚、黒酢、玉ねぎ、紅茶

冬は胃腸が冷えやすいので、温かい料理・煮込み料理 を意識すると体調が整いやすくなります。


■ 5. 冬を快適にする生活習慣(養生のポイント)

◆ ① “三首”(首・手首・足首)を冷やさない

薄手のマフラーやレッグウォーマーが効果的。

◆ ② 朝の白湯で内側から温める

胃腸の働きを整え、代謝アップ。

◆ ③ 入浴は“40℃程度の湯船に10〜15分”

深部体温が上がり、睡眠の質も向上。

◆ ④ スマホ時間を減らして姿勢冷えを予防

猫背は血流を悪くし、冷えを強めます。


■ まとめ

東洋医学では、冬の過ごし方が翌春の体調を左右する と考えられています。
冷えが深くなる季節こそ、体を温め、巡りを整える習慣を心がけましょう。

冬のケアは、1年の体調を整える大切な土台づくり。

「最近冷えが気になる…」という方は、12月のうちに対策を始めるのがおすすめです。

グラン治療院東京では、ひとり一人の冷えの原因を見極め、最適な施術をご提供いたします。
冬を快適に過ごすために、ぜひお気軽にご相談ください。