辛い足の引きつり(こむら返り)の原因と対処法
- 2023年12月25日
- 冷えのこと
運動中や寝ている時に急に足が引きつった経験がある方も多いと思います。
足の引きつりは、こむら返り、腓腹筋痙攣とも呼ばれ、突然の痛みとともにやってくる身近なトラブルです。
寝ている間に起こることもあれば、運動中や日常生活の中で突然やってくることもあります。
では、なぜ私たちの足は時折、このような反応を示すのでしょうか?
その原因は何であり、どのように予防し、対処すればよいのでしょうか?
今回は、足の引きつりに焦点を当て、そのメカニズムや対処法について紹介したいと思います。
【 考えられる原因 】
①冷えによる血行不良
冷えによってふくらはぎの筋肉が凝り固まってしまうと血流が滞り血行不良を引き起こしてしまいます。
特に朝方は気温が低いとともに体温も下がる為、冷えによって血流が悪くなり、引きつりも起きやすくなります。
②水分不足
運動中や就寝中の発汗により、水分が不足しがちになります。
運動時のみならず、特に蒸し暑く夜間多量の汗をかくことで電解質のバランスがくずれ、引きつりがおきます。
特に夜間頻尿傾向にあるご高齢者は夜間の水分摂取を制限しがちであることも一因と考えられます。
③ミネラルの不足
カルシウムやナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル成分は、神経が筋肉に伝達するために必要です。
これらが不足すると、筋肉への伝達が乱れ、足がつる原因になってしまいます。
特にミネラルの中でも「カルシウム」と「カリウム」は、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあり、この2つのミネラルを調整しているのが「マグネシウム」です。
3つとも大切なミネラルですが、特にマグネシウムの不足は腱紡錘(きんぼうすい)の機能低下に大きな影響を与えます。
【 筋肉に備わる2つのセンサー 】
筋肉には過剰に伸びたり、収縮したりすると無理な動きによって傷めてしまう為、2つのセンサーが備わっています。
それが、伸びすぎを防ぐ「筋紡錘」と、縮みすぎを防ぐ「腱紡錘」です。
この縮みすぎを防ぐ「腱紡錘」の働きが低下してしまう事で、筋肉が異常に収縮し痙攣を引き起こしてしまいます。
先ほどの考えられる原因でもあげた要因ですが、冷えなどの血行不良や運動中や就寝中の発汗による脱水も「腱紡錘」の機能を低下させる原因に繋がります。
また、加齢によっても腱紡錘のセンサー機能が衰えてきます。そのため60歳以降はこむらがえりが起こりやすくなります。
さらに妊娠中はミネラル不足になりやすく、それが原因でこむらがえりを引き起こすと考えられています。
【 対策 】
①入浴
シャワーだけではなく、湯船にゆっくりとつかる事で深部から温まり血流を促進する事ができます。
40℃程度のお風呂に15分程度つかる事で、心身ともにリラックスしやすくなります。
②ストレッチ
足首を向う側へ倒したり手前に曲げたりと数回ゆっくり繰り返すことで筋肉の緊張を緩め血流を促進することができます。
過度に伸ばしすぎず、ゆっくりと行いましょう。
③寝る前の水分補給
睡眠前に水分補給をすることで予防する事ができますが、水分補給の仕方にも注意が必要です。
飲みすぎると逆にカラダを冷やし、むくみや足の引きつりにもつながる為、できるだけ常温か温かいものを一口ずつゆっくり飲むようにしましょう。
④ミネラル不足を防ぐ
ミネラルが不足しないように日ごろから意識的に取っていきましょう。
ただし偏ったり過剰になっても良くない為、バランスを考えながら食事をとる事が大切です。
*ミネラル成分が多い食材
【マグネシウム】アオサやワカメ、ヒジキなどの海藻類のほか、ナッツ類など。
【カルシウム】牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐や生揚げなどの大豆製品、ししゃもやしらすなど、骨ごと食べられる魚に多く含まれる。
【カリウム】長いもやさつまいもなどのイモ類、バナナやキウイなどに豊富。
⑤漢方薬の活用
足の引きつりに有名なものに「芍薬甘草湯」という漢方薬があります。
筋肉がつった状態は、「気」と「血」が一時的に不足している状態であり、「芍薬甘草湯」は、不足してしまった(気・血)を補う事で筋肉の急なけいれんを鎮める作用があります。
他にも筋肉のけいれんを伴う腹痛や腰痛にもいいとされています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
足の引きつりの改善に鍼灸治療も有効な手段の一つです。
専門的な知識でしっかりと対応いたしますので、お悩みの際には是非ご相談くださいませ。
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私が書きました!
川﨑 真澄MASUMI KAWASAKI
鍼灸師
所属:グラン治療院横浜スパイアス院
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